ORACLEMASTER 備忘録11(2/2)
続き
また、通常のパッチ適用には、“RDBMSバイナリの再リンク“が必要になるため、インスタンスの停止→再リンク→インスタンス起動といった流れで適用するが、パッチによっては、オンラインで適用できる「オンラインパッチ」もある。
データベースのアップグレード
既存のデータベースを“Oracle Database 12c”にアップグレードするには、DBUAを使用する。
DBUAを使用したアップグレード
“DBUA”(Database Upgrade Assistant)を使用すると、データベースのアップグレードを実行し、新しいリリースのデータベースを構成することができる。データベースのデータディクショナリは、新しいリリースにアップグレードされる。
DBUAは“対話形式”でアップグレードプロセスを実行する。DBUAが表領域および、REDOログなどの構成オプションに対する適切な推奨を提供してくれるので、データベース管理者はその推奨値をもとにして作業を行うことができる。
DBUAはアップロードを行う前に、次の事前タスクを実行する。
・無効なユーザーアカウントまたはロールをチェックする
・無効なデータ型またはオブジェクトをチェックする
・サポートされていないキャラクタセットをチェックする
・UNDOセグメント、表領域および空きディスク領域を含む十分なリソースがあるかどうかをチェックする
・アップグレードに必要な欠落したSQLスクリプトをチェックする
・Database Vaultが有効な場合、Database Vaultを無効にする
アップグレード前の事前タスクの実行が完了したら、自動的に次のタスクを実行してデータベースをアップグレードする。
・必要な新規表領域の変更または作成
・適切なサービスのアップグレードスクリプトの起動
・REDOログのアーカイブ
・アップグレードフェーズでアーカイブの無効化(パフォーマンス向上のため)
DBUAの起動方法
DBUAはプロンプトで「dbua」と入力して起動する。アップグレードの実行中は、DBUAにより各コンポーネントに対するアップグレード処理が表示され、詳細なトレースおよび、ログファイルが書き込まれる。また、アップグレード処理後にログを参照するためのHTMLレポートが作成される、
なお、DBUAでアップグレードされたデータベース内に新しく作成されたユーザーアカウントは、セキュリティ強化のために自動的にロックされる。
また、DBUAでは“サイレントモード”での動作もサポートされている。サイレントモードでは、ユーザーに対する対話形式の画面は表示されないので、アップグレード一つのコマンドで実行でき