ORACLEMASTER 備忘録9(7/13)
バックアップの作成及び管理
バックアップの分類
前節では、バックアップのタイプを「トランザクションの一貫性」という観点で分類した、一貫性バックアップと非一貫性バックアップを説明した。
ここでは、RMANがサポートしている「バックアップファイルの種類」および「バックアップファイルの対象」という観点で分類したバックアップのタイプを説明する。
バックアップファイルの種類によるタイプ分け
バックアップファイルには次の2種類がある。
・イメージコピー
“イメージコピー”とは、“OSレベル”でのデータファイル、制御ファイル、アーカイブREDOログファイルなどのコピーである。イメージコピーはOSコマンドでも作成できるが、RMANを使用して作成すると、イメージコピーの情報が“RMANリポジトリ”に記録されるため、データベースのリストア操作及びリカバリ時にRMANを使用できる。
・バックアップセット
“バックアップセット”とは、RMANの“BACKUPコマンド”によって作成されるRMAN固有の形式のバックアップである。
バックアップセットには、「バックアップピース」という物理ファイルが一つ以上含まれ、一つのバックアップピースに、一つ以上のデータベースファイルのバックアップがRMAN固有のコンパクトな形式で格納される。データファイル、制御ファイル、アーカイブREDOログファイル、サーバーパラメータファイルを含めることができる。
バックアップセットの形式でバックアップを取得すると、“未使用ブロックが圧縮される”ため、データファイルのバックアップに使用される領域を節約できる。データファイル内の「データの格納に使用されているブロックのみ」がバックアップセットに含められる。
バックアップ対象による分類
RMANを使用すると、次のバックアップ対象に対してバックアップを取得できる。
・バックアップ対象によるタイプ分け
データファイルの全体バックアップ:
“データファイルすべての使用済みブロック”が含まれるバックアップ。イメージコピーまたはバックアップセットとして格納される。
イメージコピーの場合はすべてのデータブロックがバックアップされる。バックアップセットの場合は使用されていないデータファイルのブロックはスキップされる。
データファイルの増分バックアップ:
最初に「レベル0の増分バックアップ」(データファイルのすべての使用済みブロックを含むバックアップ)を取得し、その後は「レベル1の増分バックアップ」を取得する。
レベル1の増分バックアップは、直近のレベル0の増分バックアップ以降に変更されたすべてのバックアップが含まれる「累積バックアップ」か、直近のレベル0またはレベル1の増分バックアップ以降に変更されたブロックのみが含まれる「差分増分バックアップ」となる。