ORACLEMASTER 備忘録5(5/8)
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停止モード
インスタンスを停止する際は、“停止動作を決定するモード”を指定できる。停止時のデフォルトモードは「NOMAL」である。NOMAL、TRANSACTIONAL、IMMEDIATEの場合はチェックポイントが発生し、データベースを正常にクローズする処理が行われる。
一方、「ABORT」は異常終了(起動停止)のモードで、チェックポイントが実行されないため、データファイルの整合性が保たれない。したがって、ABORTで停止した場合は、インスタンスを再起動してデータベースを再オープンする前に「インスタンス・リカバリ」を実行する必要がある。
初期化パラメータファイル
インスタンスが起動する際、「初期化パラメータファイル」が読み込まれる。初期化パラメータファイルには初期化パラメータと設定値が格納される。
「初期化パラメータ」とは、データベース・バッファ・キャッシュや共有プールなどのSGAのメモリー領域のサイズや、オプションのバックグラウンドプロセスの追加起動といった“インスタンスの基本動作に影響を与えるパラメータ”である。初期化パラメータにはたくさんの種類があるが、大きくは約30種の「基本パラメータ」とそれ以外の「拡張パラメータ」に分類でき、通常は基本パラメータを使用する。
また、パラメータにはデフォルト値があるので、すべてのパラメータの値を設定する必要はない。
初期化パラメータの種類
初期化パラメータには「動的パラメータ」と「静的パラメータ」の2種類がある。
・動的パラメータ:インスタンスの稼働中に設定値を変更できる。
・静的パラメータ:設定の変更を反映するにはインスタンスの再起動が必要。
初期化パラメータファイルの種類
初期化パラメータファイルには「サーバーパラメータファイル(SPFILE)」と「テキスト初期化パラメータファイル(PFILE)」の2種類があり、インスタンスの起動時にどちらかを使用する。デフォルトではサーバーパラメータファイルを使用する。
・サーバーパラメータファイル:
「サーバーパラメータファイル」は、インスタンスのみが読み取りと書き込みが可能な「バイナリファイル」である。バイナリファイルなので、テキストエディタでの編集はできない。
サーバーパラメータファイルを使用している場合、「ALTER SYSTEM文」を使用して初期化パラメータを変更する。変更内容はインスタンスの再起動後も持続する。また、Oracleデータベースによる自己チューニングの基礎にもなるため、テキスト初期化パラメータファイルよりもサーバーパラメータファイルを使用が優先される。
・テキスト初期化パラメータファイル:
「テキスト初期化パラメータファイル」は「テキストファイル」で、インスタンスによって読み取りは行えるが書き込みはできない。初期化パラメータを変更し、その値をインスタンスに反映する場合は、テキストエディタでこのテキストファイルを編集し、インスタンスを再起動する必要がある。このファイルは、データベースの作成時や、障害が起こった時などの特殊な場合に使用する。
テキスト初期化パラメータファイルを使用してインスタンスを起動するには、以下のように「PFILE句」を使用して、明示的にファイルを指定する。
STARTUP PFILE = /u01/oracle/dbs/init.ora