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人を見て法を説け

著者:高木信尚
公開日:2018/12/26
最終更新日:2018/12/26
カテゴリー:雑記
タグ:

高木です。こんばんは。

弊社では実務未経験の新人を採用しています。
別に経験者を避けて未経験者ばかりを採用しているわけではないのですが、実際問題として未経験者もどんどん入社しています。
そこで、当然の課題として浮上してくるのが新人教育です。

一口に実務未経験者といっても、そのレベルはさまざまです。
趣味で結構やっていた場合には、現場に投入してもすぐに戦力になってくれます。
経歴書の経験年数でしか技術力を評価しない営業さんは、そういうのはなかなか評価してくれませんけどね。

一方で、趣味でやっていたとかはないけれど、職業訓練校で半年ほど訓練を受けてから入社する新人もいます。
この場合、趣味で結構やっていた新人に比べると実力は見劣りしますが、半年も朝から夕方まで訓練を受けていますので、そこそこ実力が付いています。
もう一押しすれば実戦に投入できるようになることでしょう。

最後のケースとしては、本当に何もやったことがない人です。
この場合は、さすがに実戦投入までには結構かかります。
実力うんうん以前に、ぜんぜんやったことがないわけですから、果たしてプログラマーに本人が向いているのかどうか自体がよくわかりません。

思い込みでその道に足を踏み入れたけれど、やっぱり向いていなかったということで挫折を味わわせてしまうのは申し訳ありません。
こういう場合は、可能であればある程度の助走期間を設けるようにしています。
そこで、実際にプログラミングを学んでみて、どうしても向いていないようなら本格的に始める前に軌道修正するほうが得策というものです。

と、ここまでは前置きです。

このように、実務未経験といってもそのレベルはまちまちです。
教育のための課題を与えるにしても、その人に応じた内容にしなければなりません。
実力に対して簡単すぎる課題では実力アップが難しいですし、逆に手も足も出ないような難しすぎる課題を出してしまっては、自信を喪失させるだけで害にしかなりません。
レベルだけでなく、その人の性格などによっても変えていかなければならないでしょう。
この辺りの見極めは本当に難しいですね。

人を見て法を説け

という言葉がありますが、まさにその通りだと思うのです。

お釈迦様の弟子に周利槃特という人物がいます。
兄の摩訶槃特は利口だったのに対して、弟は頭が悪く、兄からは修行を諦めて還俗するように勧められたようです。
お釈迦様は、そんな周利槃特に布を渡し、ずっと精舎の掃除をさせたといいます。
たかが掃除と思うかもしれませんが、掃除の繰り返しで心の汚れを落とし、兄より先に阿羅漢になったといいます。

さすがにお釈迦様のようにはいきませんが、その人その人を見て、確実に結果を出せる課題を示していきたいものです。
ここで大事なことは、お釈迦様は必ずその人に対して「行(ぎょう)」を示しているということです。
答えは自分で行動し、自分で見つけ出す以外にはないのです。
誰かから安易に答えもらうことばかり望んでいるようでは、いつまでたっても進歩しませんから。

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