商品情報の書き方(エッセイトライアングル):猫でもできるオンラインショップ23
「質」もさることながら、必要十分な量の商品情報を書くのはなかなか骨の折れる作業です。長くダラダラと書くだけであれば簡単なのですが、字数の制限があったり、よりわかりやすく伝わりやすい文章を書くのは頭と時間の両方を使います。そんな問題を解決するための、つまり質と量の両方を担保しながら文章を書くためのフレームワークがいくつか存在しますが、今回はその中の一つである「エッセイトライアングル」について説明します。
エッセイトライアングルでは、ひとつの文章が3つの構造から成り立ちます。それぞれ、序論、本論、結論です。序論は「フック」と「テーゼステートメント」をふくみ、本論は論拠をいくつか含み、結論はテーゼステートメントを繰り返す「リキャップ」を含みます。
耳慣れない単語である「テーゼステートメント」について説明します。テーゼ、と難しい書き方をしていますが、要するに「テーマ」のことです。フックをきっかけとして文章に引き込み、早々とテーゼステートメントで結論を書いてしまいます。これはプレゼンなどでも頻繁に用いられる方法です。
ここまでの説明では、エッセイトライアングルが論文やプレゼンのためのフレームワークのように思えますが、商品情報を書くのにも応用することができます。
知ってか知らずか、オンラインショップを簡単に作ることができるWebアプリでは、エッセイトライアングルと同様の構造になるよう入力項目を分けてくれています。ポイントは「序論」とそれ以外を分けていることです。例外はありますが、一般的にいうと、オンラインショップのユーザーは商品情報をゆっくりと読み込んでくれません。商品の概要を簡単に把握できる、短い商品情報が好まれます。そこで心をつかむことができて初めて、本論や結論までたどり着いてくれるのです。
つまり、概要=序論で心をつかみ、商品の要点を完結に伝えることができなければダメ、ということです。逆に言うと、ここが成功すれば、オンラインショップで重要な買い物かごへのコンバージョンやページの滞在時間が改善する可能性が高くなります。もちろん、商品情報ページに商品概要がないのは論外ですし、本論や結論がないのも興味を持った方がさらに知りたい情報を提供できていないため、ベストな状態であるとはいえないでしょう。
この構成を意識しながら文章を書けば、「質」と「量」との両方をきちんとおさえた商品情報を書くことができるはずです。