ユーザーはどのように買い物をするか(価格比較):猫でもできるオンラインショップ16
オンラインショップで買い物をするにあたり、価格の比較を全くしない、という方はいないのではないでしょうか。メジャーな商品であれば楽天市場やAmazonなどの各種オンラインモール、ヨドバシカメラなどの大手量販店のサイト、ヤフオク!やメルカリなどの個人売買のサイトをひと通り見ますし、マイナーな商品であればeBayなど海外のサイトも対象になるかもしれません。
オンラインショップを始める際に、ショップオーナーが悩むポイントの一つが「価格比較されてしまうと売れないのでは」というポイントでしょう。これは、「価格競争に巻き込まれるのでは」という不安と言い換えられそうです。ユーザーからみるとオンラインショップで買い物をする一番のメリットともいえる「価格比較ができる」ことは、ショップ側から見るとデメリットとなっているのです。
しかし、実際にはすべてのお店が価格競争に巻き込まれて困っている、というケースは少ないようです。メジャーな商品、人気のある商品の場合は、大手が安値をつけていたとしても、商品の在庫がなくなり次第、次点の安値を付けているお店で売れ始めます。ユーザーは十分に存在しているので、焦って最安値をつけなくてもよいはずです。
一方でマイナーな商品の場合は、需要が少ないですが、同時に扱っているお店も少ないため、競争相手は一気に少なくなり、値付けの自由度は高くなります。人気のあるメジャーな商品を仕入れられない、あるいはマイナーな商品を継続して取扱できないのは、オンラインショップであるかどうか以前の問題です。
価格比較は、送料や支払手数料を含めて行われます。特に安価な商品であればあるほど、送料など諸手数料の占める割合が高くなるため、ユーザーは慎重にお店を選ぶはずです。この点を考慮すると、Amazonやヨドバシカメラのような「送料無料」のお店が強いことがわかります。
これは筆者の経験による推量ですが、ユーザーはそれほど多くのお店を比較していないように思います。人気の商品があっという間に売り切れる様子をみると丁寧に商品を探し、価格比較をしているように見えますが、Google検索の2ページ目以降に掲載されているお店では在庫があったりと、多くても3件〜4件程度のお店しか見ていないように思います。
以上のことから、本当に安く買いたいのならばしつこく丁寧にさがすべきである、というユーザー側の教訓と、お店は価格競争をしなくてもいいけれど、検索エンジンには好かれるようなお店づくりをしなければならない、というショップ側の教訓が得られます。