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脱SESへの険しい道

著者:高木信尚
公開日:2018/07/28
最終更新日:2018/07/28
カテゴリー:雑記
タグ:

高木です。おはようございます。

これまであえてこの話題は避けてきたのですが、さすがに黙っていられなくなってきました。
「脱SES」についてです。

クローバーフィールドを設立した時点では、発起人のほとんどがSESに依存して生計を立てている個人事業主または小会社の経営者でした。
そんな中にあって、私はSESに関わっていない数少ない発起人の一人でした。
私が代表を務める株式会社きじねこは、クローバーフィールド設立時点から現在に至るまで、冷やかし、もとい調査目的で関わった約2.5ヵ月を除き、SESには一切かかわっていません。

私に限っていえば、もとよりSESなど眼中になく、設立当初から脱SESを志向していました。
しかし、クローバーフィールドはよくも悪くもワンマン経営ではないのです。
当時は私が代表でしたが、私の一存で物事が決まるわけがありません。

また、SESの営業を行ってもらうことを期待している株主が多かったこともあり、その期待をあっさり裏切るわけにもいきません。
さらに、パートナーとしてつながる株主以外の個人事業主が増えるにつれて、さらに状況が厳しくなっていきました。

こういう表現をすると語弊があるとは思いますが、SESにどっぷり依存する株主、営業、パートナーがいる以上、彼らの失職につながる可能性が高い方向転換というのはなかなか難しいのです。
世の中には、環境変化に順応できない人たちを「自己責任」の名のもとに切り捨てる人もいますが、そのような過酷なことはやりたくありません。
そうこうしているうちに結構な年数が経ってしまいました。

近年になって、SESしか能のない営業もいなくなり、株主を含めたパートナーの中には離反する者も現れました。
SESに依存する人たちが減少したので、状況はかなり好転したといえます。

SESは売上げこそ大きくなりますが、薄利なので、動く金額の割に利益は決して大きくありません。
すでに粗利ベースでいえば、SESの比率は50%を大きく下回っているぐらいです。

現在9名いるクローバーフィールド社員のうち、SESで外に出ているのは2名だけです。
この2名はもともとパートナー会社の役員だったのですが、所属元が休眠化したため失職し、クローバーフィールドで雇用することになりました。
今の職場の居心地はよさそうですので、無理やり撤収させることに合理性はありません。

今後は、これはあくまでも私の考えですが、SESで現場に出すのは原則としてパートナーと契約社員だけにしたいと思います。
正社員と準社員は、本人の希望があれば考えますが、基本はSESでは出したくありません。
とくに経験の浅い新人をSESで外に出すことは断固反対です。
ただ、分野的なこともあって、請負や自社製品の開発では業務系のプログラマーの出番は少ないと思いますので、その居場所を確保するためには細々でもSESも継続せざるを得ません。

技術的にチャレンジングな仕事もやっていきたいので、(それもSESに該当するのかどうかわかりませんが)準委任契約自体を否定するものではありません。
調査や実験の結果、「実現できない」という結論が導かれる可能性がある案件の場合は請負契約より準委任契約のほうが適しています。
そういうのは準委任契約の本来のあり方だと考えます。

本当は「SESなんか来月から一切やらない!」と威勢のいいことをいいたいのですが、私はよくても困る人たちが大勢います。
さすがにそんなハードランディングはやるべきではありません。
極力自然消滅を待つ形でソフトランディングさせたいと思います。

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