それっぽいデザイン(中国):猫でもできるグラフィックデザイン94
いろいろなモノを想起させる「それっぽいデザイン」について考えています。国のイメージを続けていますが、今回は「中国」を取り上げます。我々日本人は中国と日本との違いを明確に認識していますが、欧米から見るとまた違った見え方をしているようです。「中国っぽいデザイン」にはどんな要素があるとよいのでしょうか。
まずは「中国」という言葉から連想されるキーワードを羅列してみます。中華料理、三国志、自転車、功夫(中国武術)、天安門、世界の工場、深セン、チャイナドレス、万里の長城、ファーウェイ、五星紅旗、中国共産党、チャウチャウ、パンダ、老師、シルクロード、竹、龍、兵馬俑、始皇帝、飲茶、雷紋、倒福、人民服、春麗、卓球、孔子などを思いつきました。
一見すると統一感のないキーワードの集まりですが、大きく「歴史」「文化」「経済」の3つに分けることができそうです。
★歴史
三国志
天安門
万里の長城
五星紅旗
中国共産党
シルクロード
兵馬俑
始皇帝
人民服
孔子
★文化
中華料理
自転車
功夫(中国武術)
チャイナドレス
チャウチャウ
老師
竹
龍
飲茶
雷紋
倒福
卓球
春麗
★経済
世界の工場
深セン
ファーウェイ
パンダ
厳密には国が変遷しているとはいえ、やはり4000年の歴史を誇る中国は、歴史のエピソードや人物、場所や遺物がたくさんあります。いずれも、よく知られた形やデザインなので、中国を表すものとして用いるには最適なものばかりといえるでしょう。
壮大な歴史に育まれた文化も非常にバラエティーに富んでおり、中国を強く想起させるものばかりです。中国と聞いて「自転車」を思いつく方は、1980年代以前までの中国を知っている大人の方かも知れません。功夫(中国武術)などは欧米でも人気のコンテンツですが、日本の空手や柔道、韓国のテコンドーなどと混同して認識している人も多いのではないでしょうか。
竹や龍、雷紋などはデザインのモチーフとしていろいろな場面で使われていますが、これは第三者が思う中国、あるいはイメージから想像した中国かもしれません。中国を舞台にした日本のアニメや漫画などが影響を与えているのではと推量します。
いまや世界で2番目の経済大国となった中国は、長きに渡り「世界の工場」のポジションを独占しています。モノづくりを通して得た技術や人材が、スマホやドローンなど最先端のガジェットを創り出せるようになっており、かつて日本や韓国のイメージだったところが中国に置き換わりつつあります。