それっぽいデザイン(広告5):猫でもできるグラフィックデザイン85
「それっぽいデザイン」について考察しています。引き続き「広告っぽいデザイン」についてです。今回は宅配ピザに代表される「フードデリバリーサービス」や「ケータリングサービス」の広告です。いわゆるシズル感を演出するだけではなく、配布日から数日以内に、できる限り早く注文してもらうためのデザインが必要です。
シズル感とは、食品の鮮度や出来立て感などを伝える要素です。シズル感は消費者の食欲や購買欲を刺激します。フードデリバリーの広告に写真は必須ですが、いくらきれいな写真であっても、シズル感にかける写真では広告の役割を果たすことができません。
外食でも内食でも、好きな献立を食べられるかどうかは消費者にとって重要です。メニュー表には提供可能な献立をできる限り掲載すべきですが、紙面の都合上選抜しなければいけない場合もあるでしょう。このときの掲載順序は、1:期間限定やキャンペーンのメニュー、2:レギュラーで売れ筋の、あるいはお店として推したいメニュー、そして3:その他のメニュー、となるはずです。それぞれ、占める紙面の面積や各商品を掲載する大きさや情報量などで差をつけます。
レギュラーメニューであっても、ただ並べるのではなく、ある程度意図的に順序を調整したほうがよいでしょう。何も考えず、五十音順に並べるのは意味がありません。たとえば、コースとして仕立てられる料理であれば、その提供順に掲載してもよいでしょう。アラカルトであっても、定番の組み合わせや「ついで買い」が出来る組み合わせを意識しながら商品を並べるべきです。
一番のポイントは、期間限定の商品やお得なメニューをしっかりアピールして、注文が集中するように調整できるかどうかです。折り込み広告でもポスティング広告でも、消費者の手に渡った瞬間が一番訴求力のあるタイミングです。それを活かして、次に広告を打つまでの間にできるかぎりたくさん注文してもらうことで、折り込み広告の効果を最大化することができます。
クーポンは折り込み広告からの注文を加速させることができる方法の一つといえるでしょう。使用できる期間を限定して注文を急かすだけでなく、商品の基本価格を下げるのを防いだり、サイドメニューなどを無料でつけることでお得感を演出したり、一回の注文の単価を挙げたりする効果が期待できます。最近ではオンラインでのクーポンも広く普及しており、その効果が確かなものであることがわかります。