それっぽいデザイン(広告1):猫でもできるグラフィックデザイン81
いろいろな「それっぽいデザイン」についてみています。前回の「新聞っぽいデザイン」から連想して、今回は「折り込み広告」のデザインについて考えます。折り込み広告には業種や目的によって沢山の種類がありますが、それらを分類することで、折り込み広告全体の共通点やそれぞれの特徴をあぶり出してみましょう。
以下に、折り込み広告をよく利用する業種と、その特徴を羅列してみました。
業種:家電量販店、食品スーパー、ドラッグストア、中古車販売
特徴:賑やか、膨大な商品数、価格を前面に、キャンペーンやイベントの案内
業種:不動産(販売)
特徴:独特のキャッチコピー、街のイラスト、間取り図
業種:不動産(賃貸)
特徴:目玉物件、安心、賃料を前面に
業種:病院、治療院、エステサロン、トレーニングジム
特徴:利用後のイメージ、地図、営業時間
業種:健康食品、健康器具
特徴:利用後のイメージ、お客様の声、お得感
業種:学習塾
特徴:利発そうな子ども、合格人数、プランの紹介
業種:ピザ、ケータリング
特徴:商品イメージ、ラインナップ、クーポン
業種:リフォーム、工事
特徴:具体例
業種:墓地、霊園
特徴:風景、価格
業種:リサイクル、貴金属買い取り
特徴:きらびやか、迅速さ
業種:保険、共済
特徴:保険料や掛金、不安をあおる
業種:国内旅行、海外旅行
特徴:価格、風景、ツアーの日付
業種:人材募集、人材派遣
特徴:案件、様子、概要
まずは共通点から見ていきます。折り込み広告は配布のための(折り込むための)費用がそれなりにかかることや、場合によっては万単位で配ることがあるため、広告のデザインコストや制作コストを出来る限り抑える方向で調整されることが多いように思います。カラー印刷ではなく単色刷りや2色刷りの場合があったり、パンフレットなどに比べると厚みの薄い紙を使用したりします。
また、一度にできる限り沢山の情報を伝えるために、表裏両面に情報が掲載されることも多いです。さらに、同じタイミングで他の広告が折り込まれることを想定して、目立たせるために派手目のデザインとなることが多いようです。
さらに、エリアを絞り込んでの配布であることもデザインに影響を与えています。地図が簡易的なものになったり、場所の説明が街のランドマークを中心としたものになったりします。
これらの特徴は各戸に投函されるポスティング広告でもみられます。次回以降はそれぞれの特徴について詳しく見ていきます。