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「広く浅く派」の立ち位置

著者:高木信尚
公開日:2018/04/28
最終更新日:2018/06/21
カテゴリー:雑記

高木です。おはようございます。

私が外注先を選ぶときに必ず確認しているのは、その会社または個人事業主にとって、できること、得意なこと、やりたいことの3つです。
この問いに対して返ってくる答えはさまざまですが、どうしても評価が低くなるのは次のような人たちです。

  • 何でもやります。
  • Webもできますし、Windowsもできますし、モバイルもできます。他にも……
  • いろんなことをやってきたので、調べながら何でも対応します。

どれも似たようなものですが、これといった得意分野がなく、仕事さえあれば何でもやらせてくださいというタイプが一番困るのです。
そして、「一番の売りは何ですか?」と尋ねると「値段です」と答える人さえいます。

こういう「誰でもできることなら何でもできます」という人たちは、他にいくらでも代わりがいます。
値段が売りだという人たちは、「安売りするのは自信がないからだろうか?」と疑ってしまいます。
どちらもぜひお付き合いしたいという気にはなりませんよね。

一方で、外注先ではなく社員の場合は事情が異なります。
それも、アルバイトや契約社員などではなく、長期的視点で役目を任せることができる正社員として。

広く浅く何でもそれなりにこなす社員がいれば雑多な仕事をお願いできます。
いろいろな仕事に対してそれぞれ人を雇うとなると人件費が馬鹿になりません。
クローバーフィールドのような小さな会社では、このような「何でも屋」がいれば本当に助かるのです。

ところで、スペシャリストは「広く浅く」ではなく「狭く深く」だと思われがちです。
しかし、狭いのはあくまでも深く探求する分野に限った話です。
何かひとつを深掘りした人は、自然に裾野が広がるものです。
結果として、それなりに広い分野を浅く網羅できるようになります。

ただ、スペシャリストに専門外の浅く網羅した仕事をガッツリやらせるのは非効率ですよね。
でも誰かがやらなければならない仕事はあります。
そういうときには、「広く浅く」を特技としている人物の出番です。

「面倒なことは全部引き受けるので、みんな力を存分に発揮してください」という縁の下の力持ちは組織に不可欠な存在です。
ところが、そうした立ち位置にあるべきなのに面倒な仕事を嫌がりだすと、自分で自分の首を締めることになってしまいます。
面倒なことを一手に引き受けられることに誇りを持ってもらいたいものです。

技術者の場合は、どうしてもスペシャリストのほうが評価されがちです。
しかし、それは冒頭に書いたように外注先として見られるからだと思います。
立ち位置の取り方次第では、きっと評価は逆転することでしょう。

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