デザインの練習(テレビのリモコン5):猫でもできるグラフィックデザイン33
引き続きテレビのリモコンについて考えます。物理的なスイッチとユーザーインターフェイスとを兼ねることで、ボタン数の多くなったテレビのリモコンですが、より使いやすくするためのヒントをみていきます。
テレビをテレビ放送を見るためだけに使う、という方は少ないのではないでしょうか。特に年代が下がるほど、その傾向は強くなります。DVDなどのパッケージコンテンツや、テレビゲームなど、より自由に多様なコンテンツを楽しみます。中でもテレビゲームはインタラクティブなところが一番の魅力で、その操作方法はテレビゲームで遊ばない人から見ると複雑なものに感じるはずです。では、その複雑な操作をどのようにして実現しているのでしょうか。
代表的なテレビゲームである「PlayStation 4」について考えてみましょう。PlayStation 4には、見た目上18個のボタンが取り付けられています。それぞれ、PSボタン、SHAREボタン、OPTIONSボタン、方向キー(上下左右)、アクションボタン(マル/バツ/シカク/サンカク)、L1/R1/L2/R2ボタン、左スティック(L3ボタン)、右スティック(R3ボタン)、タッチパッドです。
各ボタンの役割はゲームによって異なりますが、スティックと方向キーは移動や選択、アクションボタンやL1/R1/L2/R2ボタンは決定やキャンセルなどのアクション、その他のボタンは設定などすこしメタ的役割の強いボタンです。
テレビゲームのリモコンがテレビのリモコンと大きく違うのは「両手で操作する」ところでしょう。ゲームのリモコンがボタン数が多いとしても、左右の親指、人差し指、中指の合計6本の指で操るので、慣れればスムーズに操作できるようになります。一方で、テレビのリモコンはおそらく利き手の親指で使うことがほとんどではないでしょうか。ボタン数が増え、大型化の進むリモコンを机において使う方も増えているようです。SONYなどはこの需要をいち早く製品に反映させ、赤外線ではなくBluetoothでリモコンからの命令を送ることで机の上においたままでも操作できるようにしました。これは好評だったようです。
ゲームのリモコンとテレビといえば、前述のSONYが販売していた「PSX」というゲーム機をご存知でしょうか。HDDレコーダー黎明期に登場した、「Playstation 2」とHDDレコーダーを組みあわせた移植のゲーム機です。これは専用のリモコンも存在しましたが、テレビゲーム用のリモコンを使うこともでき、そのわかりやすく直感的な操作はとても完成度の高いものでした。このノウハウは「Playstation 3」以降でも取り入れられ、Playstation 3でテレビ番組を録画/再生することができる周辺機器「トルネ」でも心地よい操作感が評価されています。