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フィクションって何?

著者:高木信尚
公開日:2018/04/19
最終更新日:2018/04/18
カテゴリー:雑記

高木です。おはようございます。

人間というものはついつい、自分が知っていること、わかっていることを、他人も同様にわかっているものだと考えてしまいます。
いや、そう考えていなかったとしても、知っていて当然、わかって当然と決めつけることもあります。

ところが実際にはそんなはずもなく、「これが当然」だと主張して見たところで、それは相手に対する嫌がらせでしかないこともあります。
油断していると、ついつい傲慢になってしまう自分がいるわけで、機会があるごとに戒めなければなりません。
今回の話題も、そういった「知っていて当然、わかって当然」と考えていたことが、実はそうではなかったという事例になります。

私は子供のころ、SFが好きでした。
そういうこともあって、SFというのはScience Fictionのことだというのは随分小さいうちから知っていたと思います。
それを教えてくれたのは、確か今は亡き父だったと思います。

Science Fictionがわかれば、次は当然のことながら、scienceって何? fictionって何? となるわけで、fictionの意味もかなり早い段階でわかっていたと思います。
Science Fictionとは別に、SFにはSpeculative FantasyあるいはSpeculative Fictionの意味もあることを知るようになります。
そのころはもう中学生だったと思うので、自分で英和辞典を引いて意味を調べました。

また、よくテレビドラマなんかで、

このドラマはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

という表現も見ました。
今でこそ私はテレビを一切見なくなりましたが、子供のころはテレビっ子でしたので、何度も何度も見るそのフレーズによって、「ドラマの内容はフィクションなんだ」と強く刷り込まれたのではないかと思います。

以上のように、私にとってはフィクションという言葉はすごく身近で、誰でもわかる言葉だと思い込んでいたようです。
それがわからないのは、ドラマやマンガやゲームの内容と現実の区別が付かない就学前の小さなお子さんか、重い認知症にかかったお年寄りか、あるいは重度の薬物中毒か、さもなければ重い精神障害を患っているかだと思い込んでいたのです。

ところが、現実はそうではありませんでした。
フィクションの意味がわからないのは、上記のような決定的な理由ではなく、単に知らなかっただけの可能性があるということです。
そこに気づかなかった私は何と愚かなのでしょう!

フィクションというのは架空の内容であり虚構です。
早い話が一種の嘘です。
ですので、フィクション小説に書かれた内容が嘘だからといって怒られても困ってしまうのです。

もちろん、フィクションといえども実話をもとにしたものもあります。
たとえば『西遊記』なんかもそうですね。
しかし、「玄奘法師は白い馬ではなく史実では黒い馬に乗っていたのだから西遊記は嘘だ!」と怒っても、フィクションなんだから仕方がないんです。
「孫悟空のようなお供は従えず、玄奘法師はたった一人でインドを目指したのだから嘘だ!」と怒っても、フィクションなんだから仕方がないんです。
フィクションとはそういうものなのです。

『西遊記』とかだと虚構だとわかりやすいですが、では、『三国志演義』とかならどうでしょう。
『三国志演義』も実話(歴史)をもとにしたフィクションですが、現実と区別が付いていない人は少なからずいるようです。

そういえば、海外には史実とファンタジー(というか願望)をごちゃ混ぜにした歴史教育をやっている国もあるようです。
そのような教育を受ける国民はお気の毒としかいえません。

このように改めて考えてみると、フィクションが何なのか、また、何がフィクションで何がそうでないのかは、誰にでもわかることではなさそうです。
もし、私のこの事実誤認により傷つけた方がおられたとしたら、大変申し訳ないことです。

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