大阪市中央区 システムソフトウェア開発会社

営業時間:平日09:15〜18:15
MENU

デザインの練習(エレベーターのボタン4):猫でもできるグラフィックデザイン27

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:YOSHIDA Takayuki
公開日:2018/04/14
最終更新日:2018/04/25
カテゴリー:技術情報
タグ:

今回もエレベーターのボタンのデザインについて考えます。今回は「どの階数ボタンが押されているのかを示したい」についてです。エレベーターのボタンだけでなく、その周囲のユーザーインターフェースについてもあわせて考えます。

すでに利用者が乗っているエレベーターに乗り込んだ時のことを思い出してみてください。まず最初に、操作パネルの方をみて、自分が降りる階のボタンがすでに押されているかどうかを確認するはずです。ボタンが光っていれば、すでに誰かがその階で降りる(=すでに誰かがその階のボタンを押した)、という合図です。

停止階のボタンを光らせる、というデザインは比較的新しいものです。それ以前はボタンを物理的に凹んだ状態にすることで停止階を示していました。ボタンを光らせる初期のものでは、透過性のある素材のボタンの中に電球を仕込んでいましたが、電球はLEDよりも寿命が短いため、交換頻度が高くメンテナンスに手間がかかるものでした。

そこから一歩すすんで、静電容量スイッチや圧電素子スイッチを採用したボタンが多くなりました。これらのボタンは、ボタンを深く押し込まずとも触れるだけ、あるいは軽く押すだけで反応するタイプのボタンです。いずれも押す力が不要なので老人や子どもに優しいボタンと言えなくもないですが、とくに静電容量スイッチのボタンは「押した感じがしない」のが問題です。反応が鈍いことも多く、利用者が何度も、あるいは強く押しすぎて、割れてしまったボタンもたくさんありました。

停止階数の表示をボタンに任せない、という方法もあるでしょう。多くの場合、エレベーター扉の上側には現在の階数や上昇/下降を示す表示があります。これに停止階数の表示をさせるのはアリかもしれません。ただ、階数ボタンでの表示に勝るものではなさそうです。

最新のエレベーターには液晶パネルが搭載されている事が多いです。上述の扉上の表示に代わって、現在の階数表示や、上昇/下降の表示、さらにはメンテナンス情報や広告の表示などを担います。エレベーター内という密室で、たとえ短時間でも他人と過ごす時間が気まずいのは皆同じです。それほど急いでいるわけでもないのに扉上の表示などをみつめてしまいがちですが、その視線を液晶パネルに集めるのは良いデザインではないでしょうか。この液晶パネルに停止階数を表示することもできそうですが、これも階数ボタンでの表示に取って代われるものではないでしょう。

    上に戻る