メールのライティング(署名):猫でもできるWebライティング23
Webライティングの知識や技術が活きる機会はいろいろあります。社会人であれば文章を書くといえばメール、という方も多いのではないでしょうか。現在はチャットツールやプロジェクト管理ツールでやり取りすることも増えていますが、重要な内容や社外とのやりとりではまだまだ電子メールが多く用いられています。
仕事で使うメールには、普通の会話や文章とは違う要求がありそうです。その代表的なものが「署名」ではないでしょうか。署名は、メールの差出人を示すサインです。手書きの手紙の頃から、文章の末尾に署名をすることは行われていましたが、インターネットのメールでは更に情報を盛り込んだものが多いです。署名の要件には次のようなものがあります。
まずは、本文と署名とを明確に分ける必要があります。署名はメールの中でデータ構造としてわかれているわけではなく、本文の一部を便宜的に分けているだけです。メールを受け取った人に向けて、どこまでが本文でどこからが署名なのかを視覚的に示す必要があります。記号を罫線として用いる場合が多いですが、十分な空白行をつけるだけでもよいでしょう。
署名の内容は2つに分けることができます。ひとつは「連絡先」、もうひとつは「情報発信」です。優先順位は「連絡先」のほうが高く、バリエーションは「情報発信」の方が多いです。まずは連絡先について見ていきましょう。
署名には当然「名前」が必要です。現実的には誰からのメールかを署名で判断することはないかもしれません。それ以降に連絡することを想定して、例えば読むのが難しい、あるいは一般的ではない名前などではよみがなやアルファベット表記を併記してもよいかもしれません。また、「所属する団体や組織」も書きましょう。法人名などは略称ではなく、正式な表記を書くべきです。それ以外にも、「メールアドレス」「電話番号」「FAX番号」などを書いても良いですが、自分への連絡が分散しないように、本当に連絡してほしい連絡手段だけ記載するのも有効です。
次に「情報発信」について考えてみましょう。個人として、組織として、現在アピールしたい内容を中心に記載します。「ホームページアドレス」「SNSアカウント」などがそれにあたりますが、ただURLを貼り付けるだけでは誰もクリックしてくれません。具体的な内容をわかりやすい言葉で書きます。署名のライティングで時間をかけるべき場所、メンテナンスを続けるべき場所はここです。