見た目の調整:猫でもできるWebライティング10
今回は文章中の「見た目の調整」の仕方について考えてみます。Webライテイング、というよりはパソコンやスマホを使う場合のITライティングにも共通する部分があるポイントです。
日本語と英語の文章を比較したときに、見た目で一番違うことは「英語アルファベットのみで書かれているかどうか」です。文字だけでなく、「スペースで単語を区切るかどうか」も大きな違いです。日本語はひらがなやカタカナ、漢字や英語アルファベットなどを混合して書くので、スペースを使わずとも単語や音節を読み取ることができます。逆に言えば、日本語でスペースを使うことはほとんどありません。
日本語の文章の見た目をスペースで調整してはいけません。たとえば、ある単語を目立たせたいからといって「W e b ラ イ テ ィ ン グ」としてしまうと、「Webライティング」という言葉とは別の言葉として認識されてしまいます。他にも、表組み(table)の見出し(th)のなかで「開 催 日」とか「沿 革」というふうに、他の見出しと見た目を揃えようとスペースを用いているケースも見かけます。これもそれぞれ、「開催日」「沿革」とは認識されません。
これはWordの文章や印刷用のパンフレットなどからデータをコピーしたときなどに起こりやすい現象であると推量します。このような流れでデータを利用する場合は注意が必要です。本来は、Wordであっても「カーニング(文字同士の間隔を調整する)」の機能がありますので、このようなことは起こらないはずなのですが、Officeソフトウェアは使用者の年代もパソコンの利用経験も様々ですので、機能を完全に使い切れていないのかもしれません。
HTMLで字間を調整したい時は、CSSを使って調整します。これは文書構造をHTMLで設定し、見た目はCSSで調整するという原則どおりです。ただ、日本語の場合、デザイナーの意図通りのデザインをCSSで表現するのは簡単ではありません。本来縦書きの日本語を横書きしていることや、指定できるフォントが少ないこと、また欧文フォントのようにプロポーショナルフォントの考え方がないことなどが理由です。
スペースと同じように、括弧などの記号を使うことで見た目を調整することもよく行われます。旧来の日本語の原則から考えると、たとえば二重かぎ括弧である『』をかぎ括弧「」の外で使うことはNGです。しかし、これらの記号は検索対象データとしては無視され、スペースと同様の扱いをされていることが多いようです。同サイト内で記号の使い方がコロコロ変わるのは良くないですが、一定のルールを持って使う分には問題ないように思います。