キーワード比率:猫でもできるWebライティング08
「昔は効果があったけれど今は効果がないSEO」の代表格が「ページ内のキーワード比率を高くする」という手法です。ターゲットとなるキーワードをページ内でたくさん使うことで、そのキーワードについての情報がたくさん書かれているページであることをGoogleに伝える……という説明をみる限りは問題のない手法のような気がしますが、今では悪手として知られています。
たとえば、次のような文章がもともとあったとします。
「大阪のSEOなら三つ葉株式会社におまかせください。分析からコンサルタント、運用までワンストップで承ります」
これを「SEO」というキーワードの頻度を高くするように調整すると、次のような文章になります。
「大阪のSEOならSEOの三つ葉株式会社におまかせください。SEOの分析からSEOコンサルタント、SEOの運用まで。SEOについてワンストップで承ります」
図らずもそれほど悪くはない文章になってしまいましたが、やはり「無理して書いた印象」は拭うことはできません。このような文章の書き方がSEOの定番テクニックとして広まっていた時期がありました。
日本語は主語を省略することが許されている言葉です。主語だけでなく、いろいろな言葉を省くことが可能です。そのため、口語のノリで文章を書いていると、メインのキーワードの登場回数はそれほどないかもしれません。また、省略をできるかぎりしないように意識して書いたとしても、代名詞が増えるばかりでキーワードの比率がそれほど変わらないことも多いです。
このような日本語の特徴もあってか、チューニングした文章は違和感のあるものになりがちです。結果として、この「キーワードをできるかぎり詰め込む」タイプの手法はクライアントやWeb制作者、ユーザーから煙たがられることになりました。せっかく訪れてもらったWebサイトの内容が、あやしい日本語で書かれているという状況が良くないことは、専門家でなくともすぐに分かることです。
それでは、キーワード比率はまったく無意味になってしまったのかというと、そんなことはありません。チューニングしていないナチュラルな文章でも、特定のテーマについて書いた文章ではキーワード比率がそれなりに偏ることがわかっています。これをGoogleが全く無視したり、あるいは参考にしていないということは無いでしょう。キーワード比率については「キーワード比率を○○%くらいにしなくてはいけない」という考え方はやめて、Googleからスパムサイトだと認識されないように「キーワード比率が極端に高くなるのを避けなければいけない」と言い換えたほうがよいでしょう。