Lazy Load:猫でもできるWordPressのプラグイン選び20
今回は「Lazy Load」というプラグインを紹介します。「Lazy」は英語で「怠惰」とか「のろのろとした」を意味する言葉です。Loadはコンピューター用語では「読み込み」を意味する言葉です。Webサイトの高速化が求められる時代に「のろのろとロード」をする理由があるのでしょうか。
現代人は忙しい、時間がない、といわれて久しいですが、インターネットが当たり前になり、スマホが普及してからは秒単位、ミリ秒単位のスピードアップが求められるようになりました。Googleが表示速度の早いページを評価していることを明らかにするようになる以前から、ページの表示に3秒かかるとユーザーが離脱してしまい見てもらえない、とまことしやかにいわれていました。
ユーザーが検索エンジンからアクセスしてきて、サイトが表示されるまでの時間はゼロに近ければ近いほうが好ましいです。しかし、Webサイトのデータ容量は増えることはあっても減ることは無く、特に画像の多いサイトの読み込みにはそれなりの時間がかかってしまいます。少しでも速く表示するためにいろいろな工夫がなされてきましたが、画像ファイルはファイルサイズと美しさがある程度比例するため、軽量化にも限界があります。
そこで考えられたのが、「後で読み込む」という方法です。Webにはファーストビューという考え方があります。ファーストビューは、WebブラウザーでWebサイトを表示したときに、スクロールせずにみえる範囲を指します。ファーストビュー以外で使う画像やCSS、JavaScriptなどを後で読み込むことで、実質的な読み込みサイズを小さくして、表示までの時間を短くする仕組みです。
「Lazy Load」プラグインがしてくれることは単純で、ファーストビューの画像を読み込んだ後は、スクロールで表示されるであろう範囲を予想しながら最小限の画像を読み込んでくれます。プラグイン名の「のろのろとロード」というのは、事前に、あるいはオンタイムで画像を読み込まないことをうまく表現したものです。
「Lazy Load 」を名乗るプラグインはいくつかあり、一番シンプルな名前の「Lazy Load 」は長くメンテナンスされていないので、他のプラグインを使ったほうがよいかもしれません。もちろん、プラグインに頼らずに遅延読み込みを実装することも可能です。
Webサイトの高速化は今後も求められるでしょう。高速化を実現するためにあえて遅らせるという手法は、「逆転の発想」や「アイデア」の具体例としても素晴らしいものですね。