プラグインの数:猫でもできるWordPressのプラグイン選び19
今回はプラグインの紹介を少しお休みして、閑話としてプラグインの数について考えてみます。2018年2月現在、「wordpress.org」に掲載されているプラグインは54,000を超えています。ひとつのサイトにはプラグインをいくつインストールすれば(あるいはインストールしても)よいのでしょうか。
「プラグインをいくつ使うのか」という議論は、どちらかというと「プラグインをいくつまで使ってよいのか」という議論になることが多いように思います。このような議論がしばしば行われるのは、プラグインが多すぎると不具合が起こる場合がある、というのをWordPressユーザーが体験的に知っているからでしょう。
きちんとメンテナンスされているプラグインであっても、他のプラグインの影響で挙動がおかしくなってしまう可能性はあります。プラグインが2つから3つに増えると、影響を及ぼし合う組み合わせが1通りから3通りに増えます。4つでは6通りに、5つでは10通りになります。これは1対1の場合のみを考えた時なので、1対2、1対3と考えるとその組み合わせはさらに増えます。本来はプラグインを一つ追加する毎に、きちんとテストを行うべきではありますが、おそらくほとんどのWordPressユーザーはやっていないと推量します。これを考えると、プラグインの数は少ないほうがよいのでは、と考えてしまうのも当然です。
別の視点で考えて見ましょう。人の記憶に関する「マジックナンバー」という説があります。人は情報をいくつかずつにまとめて記憶する傾向があって、その「情報のかたまり」の数が4±1(あるいは7±2)であれば覚えておきやすい、というのが説の概要です。WordPressのプラグインにこれを当てはめてみると、9個以上プラグインをインストールしてしまうと、管理者がきちんと認知していないプラグインが存在する可能性がある、ということになります。インストールしているプラグインを覚えていられないということは、似たような機能を持っているプラグインを重ねてインストールしてしまったり、すでに不要になっているプラグインを無効化したり削除したりせずに使い続けている可能性がある、ということです。
だからといってプラグインを10個以下にしましょう、という結論は現実的ではなさそうです。参考までに、筆者の管理しているWordPressサイトをみると、20から30個を有効化していることが多かったです。それなりにしっかりと構築したサイトでも30個前後だったので、通常のホームページであれば20個までのプラグインで事足りるではないでしょうか。
2通りのアプローチでプラグインの数を検証しようとしましたが、明確な答えは出ませんでした。54,000以上のプラグインのなかから、どれを選んで、どれを使い続けるのかはサイトの仕様次第、管理者次第です。必要性や機能を慎重に吟味したものを、サイトの様子を確認しながら追加していけるのであれば、プラグインの数に制限はないかもしれませんね。