フェアプレイと相互利益
高木です。こんばんは。
なんかこのブログに投稿するのは久しぶりな気がします。
最近は吉田あたりが頑張って毎日投稿してくれているので、ついついサボりがちになってしまいます。
今回はちょっと難しい話題を取り上げてみたいと思います。
昨今の就職・転職事情は売り手市場ということで、弊社の採用活動も難航しています。
積極的に技術者の採用に取り組んでいますが、なかなか応募が集まらず、仮に応募があっても採用に至らないことも少なくありません。
景気がよくなって雇用が促進されるのはよいことです。
けれども、そういう状況になればなるほど、弊社のような小さな会社の採用活動は厳しくなるものです。
これは仕方がないことですね。
弊社もいろいろなところに求人情報を提出しています。
提出先によって、求人票のフォーマットや分類の仕方が決まっています。
場合によっては、それが現実から乖離することさえあります。
乖離するというのは言い過ぎだとしても、必ずしも正しい実態を伝えられないことは少なくないのです。
具体的な話をしましょう。
弊社の場合、原則として入社してから半年間は試用期間であり、その間は有期雇用つまり契約社員になります。
このようにしているのはいろいろ理由があるのですが、最初だけでも緊張感をもって勤務していただきたいですし、こうすることで採用のハードルを大幅に下げられるという利点もあります。
オプション的に、試用期間無しで最初から正社員という選択肢も用意はしています。
しかし、この選択肢を選んだ場合、採用のハードルは大幅に上がります。
弊社のリスクも高くなりますが、その分、応募者に対する要求レベルが跳ね上がるのです。
試用期間がある場合、その間は有期雇用ですから、その後の雇用に関しては最初の段階では何もお約束できません。
しかし、せっかく苦労して採用した人材をわざわざ手放すほどの余裕なんかあるはずもなく、普通はその後正社員として雇用することになると思います。
もちろん、勤務態度がどんなに悪くても、能力や適性がどんなになくても、正社員登用されるということではありません。
応募時に散々盛ったり、経歴等を詐称したり、重要な事実を隠蔽していなければ、大丈夫だと思います。
正社員として採用していても、安易に人材を使い捨てにする企業が多い中、自分でいうのもなんですがかなり律儀だと思います。
さて、このような採用方針ですので、これを採用情報として提出する場合はどうなるかを考えてみることにします。
例としてハローワークを挙げるとしましょう。
ハローワークでは、まずフルタイムとパートタイムで入口が分かれます。
弊社は短時間正社員の採用も行っていますが、短時間正社員の求人情報はパートタイムになってしまうのです。
話を簡単にするために、今回はフルタイムに限ることにしましょう。
先ほど挙げたような採用方針ですので、最初の雇用形態は契約社員、すなわち正社員以外ということになります。
これだと、「正社員以外」で登録せざるを得ません。
応募者がどのような行動を取るかは個人差がありますが、「正社員以外」となるとその時点で候補から除外されることも多いでしょうね。
前述のように、試用期間無しで最初から正社員のオプションもありますので、そちらの求人情報も提出してはいます。
そちらを選択して応募してきてももちろんいいのですが、ハードルが高いのでなかなか採用には至りません。
そこで、契約社員からのスタートを提案すれば「求人詐欺だ!」「ブラック企業だ!」と大騒ぎする人もいるので、なかなか提案もしにくい状況です。
法的に問題があるようなことはやっていませんし、やるつもりもありません。
中には、我々の無知や不注意によって、結果的に違法なことをやってしまう可能性はありますが、気付いた時点で速やかに是正しています。
このようにフェアプレイを心掛けてはいるのですが、求人情報をバカ正直に書き過ぎるのか、なかなか応募が集まりません。
一方で、どこまで本当かわからないような求人情報を出している企業のところに応募が集まりがちになります。
求職者の経歴や自己PRもどこまで本当かわからないわけですから、それに対応して我々も応募が集まりやすいように誇張やその他の手段を考えたほうがよいのでは? という議論もあります。
求職者にとって弊社を選択することが利益につながるという命題を真とするなら、弊社がバカ正直な求人情報を出してその機会を奪うことは応募者の不利益につながります。
「きれいごとはよそう」と宣言して実利を追求するのは簡単です。
けれども一度タガを外せば、どんどん何でもアリになるものです。
その状況下で、過酷になり過ぎないようバランスを取り続けるのは至難の業です。
それともうひとつ。
私は「類の法則」によって、同レベルの者どうしが引き寄せあうことを知っています。
弊社が都合よく盛った求人情報を出して、その結果集まった応募者がどのような人たちか、おおよその見当は付くというものです。
いかにも怪しい人物なら簡単に選別できますが、一見して見抜けずに後から本性を現す人も少なくないと思います。
そんなこんなで、採用活動については、フェアプレイと求人側・求職側の相互利益を両立させるのは骨が折れるのです。