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ソフトウェア技術者だけが集まっても商品は生み出せない。

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:高木信尚
公開日:2017/06/23
最終更新日:2018/06/21
カテゴリー:雑記
タグ:

高木です。おはようございます。

私はもともと毒舌なほうなので、今回も遠慮なくいきたいと思います。
今回は毒舌に加えて、ちょっと自虐的かもしれませんね。

クローバーフィールドはもともと、ソフトウェア技術者が23名集まって設立した会社です。
正確にいうと、ソフトウェア技術者ではない者が1名含まれていましたが、まあいいでしょう。

そんな弊社だからこそ、あえて主張したいと思います。

ソフトウェア技術者だけが集まっても、何ひとつ商品を生み出すことはできません。

われわれの場合、生み出すことができたのは、このクローバーフィールドという会社だけでした。
それもそのはずです。

純粋にソフトウェアだけで構成される商品を作ろうとすると、非常に大きな制約を受けてしまいます。
仮に一部を外注するにしても、限度があります。

さらに、弊社の場合は、一口にソフトウェア技術者といっても、汎用系の人もいれば、Web系の人もいるし、組込み系の人もいます。
それだけバラバラだと、SESをやる分には守備範囲も広くていいのでしょうが、いざ自分たちで商品を作ろうと思うと烏合の衆と大差ありません。

デジタルコンテンツだけでどうにかする場合に限っても、少なくともデザイナーは必要になりますし、作るものによってはコンテンツライターや作曲家などが必要になることさえあります。
イラストレーターや写真家が必要になることも普通にあるでしょう。

また、多くの場合、特許や意匠などの知的財産を適切に扱う必要が出てきます。
SESを中心にやってきたソフトウェア技術者だけでどうにかなるとは思えません。

デジタルコンテンツ以外まで視野を広げるなら、プラットフォームとなるハードウェアの開発ができなければ話になりません。
筐体をはじめとした機構部品を扱える技術者も必要になります。
取扱説明書や諸々のチラシ類、梱包材などに精通した技術者も必要になります。

それらを完璧にこなしたとしても、まだそれは「製品」であって「商品」といえる状態ではありません。

そのままでも販売可能だという意味では、定義上は商品かもしれません。
しかし、実際には販路を確保し、適切に出荷できるようにならない限り、それは本当の意味での「商品」にはならないのです。

SESで参画した案件では、「製品」までもっていくことさえできません。
開発が完了すればそれで製品になるわけではなく、製品化評価等を経て、個々の個体が製造されてはじめて「製品」になるのです。

ですから、SESで関われるのは、多くの場合、せいぜい「半製品」か「仕掛品」止まりなのです。
SESではなく、受託の場合も大差ありません。

そうした現実を踏まえた上で、どのような方向に舵を切るかが大切です。
「商品」と呼べる成果物を生み出せるところまでもっていくのであれば、外注に依存するか、必要な人材を雇用するしかありません。

会社としての方針はともかく、私個人としては、どうせやるなら商品開発をやりたいと考えています。
できるできないは結果なので何ともいえませんが、われわれのような零細企業にとっては、それを目指すことにまずは意義があるのではないでしょうか?

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