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小さなソフトウェア会社に専属の営業はいらない。

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:高木信尚
公開日:2017/06/15
最終更新日:2018/06/21
カテゴリー:雑記
タグ:

高木です。おはようございます。

前回予告したように今回は、営業が技術を学ぶべきなのと同様に、技術者も営業に関わるべきという話です。
せっかくなので、それだけにとどまらず、もう一歩踏み込んでみたいと思います。

営業は自らが扱う商品について十分な知識が必要になります。
自分が何を売ろうとしているのかもわからない状態で、まともな営業ができるはずがありませんね。

技術者の場合は、自らの技術を活かせる道を切り開いてくれる営業がどんな仕事をしているのかを学ぶことで、より高い信頼関係を築くことができるようになります。
また、市場の動向を把握することで、現在から今後にかけてどのような技術を磨くべきかも見えてくるというものです。

営業も技術も、「自分は営業だから技術のことはわからない」とか「自分は技術なので営業のことはわからない」といったことばかり言っていてはダメなのです。

さて、ここからが本題です。
今回のタイトルでもある「小さなソフトウェア会社に専属の営業はいらない」とは一体どういうことなのでしょうか?

クローバーフィールドもそうですが、おおむね10人以下の零細ソフトウェア会社の場合、技術が営業を兼ねるのが最も理想的な形です。
技術が直接顧客と話をすれば、間に営業が入って伝言ゲームのようになる心配がありません。

顧客からヒアリングした時点で、その要望が実現可能かどうか、実現可能だとしてもどの程度の難度であり、どの程度の工数がかかるのかを、ある程度はその場で目星をつけることができます。
とくに実現の可否については重要で、実現できないことに対してそれ以上いくら商談に時間を割いてもお互いに時間の無駄でしかありません。

そして、本当に大雑把な概算でもいいので、開発費の規模が提示できればなおいいでしょう。
顧客は、一体どれぐらいの費用がかかるのか、まったく見当がついていないことが少なくありません。
数十万円でできるのか、数百万円でできるのか、一千万円以上かかるのか、本当にわからないことが多いのです。
そんな状況で、300万円~500万円程度というぐらいの本当にざっくりした規模感を提示できるだけでもお互いにとって有益だったりします。

もしかすると、ここまでの話で何か違和感を覚えた方も多いのではないでしょうか?

そうです、ここではSESの話はまったくしていません。
SESは極論をいえばブローカーのようなもので、本来のソフトウェア会社がやるような仕事ではありません。
ブローカーだからこそ、「技術のことはわかりません」などというのんきなことをいう営業でどうにかなるのですし、数をこなすためにそのような専属の営業が必要になるのです。

われわれ技術者は、ものづくりを通してお客様に喜んでもらい、その結果として社会に貢献できることが本懐です。
それであれば、自らの技術力を発揮すべき仕事を自ら確保し、開発した製品を実際に使用するお客様と直に接することが必要になってくるはずです。
だからこそ、技術も自ら営業を行うべきなのです。

技術が自ら営業を行う前提であれば、専属の営業担当は必要なくなります。
ある程度大きな規模の会社になればそうもいってられませんが、零細規模の場合は本当にそう思います。

技術が営業を兼ね、また組織が小さいために意思決定が早いことが、小回りの利く仕事をする上では重要な要素になります。
零細企業は小さいが故の弱さもありますが、このような働き方ができるところにその醍醐味があります。

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