ポートフォリオの必要性
高木です。おはようございます。
先日の「実力は経験年数に比例しない」という記事で、技術者の実際の実力を知るには、いっしょに仕事をするか成果物を見るしかないと書きました。
その通りなのですが、いっしょに仕事をする機会を得られる人物というのは非常に限られています。
だとすれば、成果物を見せるしかないのですが、そのために必要になるのがポートフォリオです。
ポートフォリオというのは、美術系の学生が就職活動を行う際に、応募先の企業に提示する作品集のようなものです。
就職活動だけでなく、フリーランスが営業を行う際にも用意しているかもしれません(そっち方面はそんなに詳しくありません)。
実際の実力を知ってもらうには成果物を見てもらうしかないのであれば、技術者の場合にもポートフォリオが必要ではないと思うのです。
オープンソースとかで活動している技術者であれば、そのURLを示すだけでいいかもしれません。
フリーウェアやシェアウェアを公開している技術者も然りです。
自分が作ったものであることを確認できる商品があるなら、それが一番いいかもしれませんね。
そういったポートフォリオは、単なる言葉だけで表現した業務実績より、はるかに説得力があります。
どんなに小さなものでもいいので、第三者に自分の作品として提示できる成果物は用意しておきたいものです。
さて、最近はSESに対して批判的ともとれる発言が多いことは自覚しているのですが、今回も書いてしまいます。
SESの場合にポートフォリオが必要かというと、これは何ともいえません。
なぜなら、立派なポートフォリオを用意しても、それを正しく評価してもらえるかどうか微妙だからです。
少なくともSESの営業に正当な評価をする力などありません。
技術者としての経験がない営業の場合はもちろん、技術者経験上がりの営業でも似たようなものです。
技術者上がりといえども、自分が経験した分野以外で正当な評価をすることは極めて困難です。
また、自分が経験した分野であっても、他人の成果物を見て正しく評価できるほどの実力があれば、営業に転向したりなどしていないでしょうから。
現場の担当者にしてみてもそうです。
他人の成果物を見て正しく評価できるには相応の実力が必要です。
中にはすごい人もいるでしょうが、みんながみんな、そんなすごい人のはずがありませんね。
結局、スキルシートの情報を頼りに、あとは好き嫌いとか、合う合わないとか、合コンで交際相手を見つけるのと大差ない基準で判断されたりしています。
というわけで、SESではポートフォリオの効果はそんなにないと思います。
しかし、SESから脱却しようという意欲が多少でもあるのなら、ポートフォリオはすぐにでも用意を始めるべきです。
本当に必要になってから慌てても、そんなにすぐに用意できるものではないですからね。