自分のために戦う奴は弱い
高木です。こんにちは。
私は普段からそんなにマンガを読むことはないのですが、最近になって、ふとした切っ掛けから知ることになった歴史マンガを読むようになりました。
そのマンガはこれです。
このイラストだけを見ると、かわいい女の子が萌え萌えの活躍をするマンガのように思うかもしれません。
ところが、実際の内容はまったく違います。
15世紀のボヘミア(チェコ)で起きたフス戦争というマニアックなテーマを扱ったもので、戦争の凄惨さをこれでもかというぐらい表現しています。
その『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』の「第2話 戦士の条件」で、ヤン・ジシュカが少女シャールカに言った言葉が印象的です。
自分のために戦う奴は弱い
自分のために始めた戦いは、自分のためにいつでも投げ出せるからな
そして、こう続けます。
命に代えても守りたいものがある奴
自分以外の誰かのために戦える奴
俺がほしいのはそういう戦士だ
企業の経営者の場合も、本音をいえば、会社のために命がけで働いてくれる従業員がほしいのではないかと思います。
目先の損得や、自分の生活のためだけに働いているような従業員であれば、都合が悪くなれば簡単に辞めてしまいますから。
ただ、ひとつ確実にいえることは、そのような価値観は他人から押しつけられてどうにかなるものではないということです。
『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』に出てくるフス派の人々は、信仰心によって結束を固め、殉教しても天国に行くと信じていたために死を畏れることなく戦いに身を投じていきます。
しかし、一般の企業でそのような状況を期待するのは無理があります。
たとえそれが一般企業ではなく、宗教団体や政治団体であったとしても、現在のそれは必ずしも一枚岩ではないでしょう。
劇中のフス派でさえ、分裂して内部抗争が起きたりしているのですから。
完璧な団結力を目指すのは無理としても、そこに近づけることはできます。
そのためには、命令によってどうこうするのではなく、各自が自発的にその方向に向くようにしなければなりません。
具体的には、組織の構成員全員が共感できる理念があることが大切です。
それを示すのが経営者のもっとも重要な役割ではないかと思います。
孫子の計篇にも、踏まえるべき重要なポイントとして道、天、地、将、法からなる「五事」を挙げています。
その筆頭にあたる「道」とは、次のようなものです。
道とは、民をして上と意を同じくし、これと死すべく、これと生くべくして、危うきをおそれざらしむるなり
命令による強制ではなく、腹の底から共感し、同じ目標に向かうべき道を示すべきであることが、ここでも指摘されています。
もちろん、どんなに素晴らしい道を示してもそれに賛同できない者は少なからずいます。
採用にあたっては、そのような人物を除外し、ともに同じ目標を目指せる人物を引き入れる必要があるのです。
ちなみに、『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』の第1話、第2話、そして最新話はニコニコ静画で読むことができます。
http://seiga.nicovideo.jp/watch/mg65035?track=ct_episode