エディントンの言葉
高木です。おはようございます。
クローバーフィールドでは技術社員を随時募集しているのですが、本格的に採用の動きが出てくるのは例年この時期からです。
技術社員の募集にあたっては、大きく分けて2つに分類できます。
ひとつは実務未経験者かそれに近い方、もうひとつは実務経験者です。
いずれも、何でもいいから応募者を集めてもしかたがありませんので、今後はちょっと応募のハードルを上げることを検討しています(まだ決定ではありません)。
どんなハードルの上げ方を検討しているか、少し紹介してみましょう。
まずは未経験者かそれに近い方ですが、ポートフォリオの提出を必須にしようと考えています。
ポートフォリオというと、デザイナーなどの美術系の就職活動なんかではおなじみですが、要するに自分で作った作品を提出してくださいということです。
実務は未経験でもかまいませんが、本当にプログラマーとしてやる気があるなら、上手下手は別として自分で何らかの作品は作っているはずだからです。
口先だけの「やる気はあります」には1円も価値もありません。
次に、未経験者にも経験者にもお願いしたい課題があります。
面接と筆記試験です。
面接はあえて説明の必要はないでしょう。
筆記試験は作文と学力テストを考えています。
学力テストの問題として先日考えたものがあるのですが、社内では難しすぎるとの意見が多かったので、まだまだ調整が必要です。
今回は特別に、その「難しすぎる問題」を紹介することにしましょう。
問1
1+2を計算しなさい。
問2
問1の結果を証明しなさい。
確かにちょっと難しすぎますね。
問2は、普通は「ペアノの公理」という自然数の定義を用いて証明するのが一般的ですが、普通はそんなのは知るはずがありません。
それに、この筆記試験は、応募者の知識を試すためでもなければ、記憶力を試すためでもありません。
ですので、数学的な証明ではなく、「問1の答えをどのようにして導いたかを説明しなさい」あたりが妥当かと思います。
こういう、日常的にあたりまえのように使っていることでも、深掘りして考えられる人材というのは貴重です。
筆記試験の問題はもう少し調整が必要ですが、興味のあるかたは是非お声かけください。
ところで、この問題を作った後、私はA.S.エディントンという人物の言葉を思い出しました。
We used to think that if we knew one, we knew two, because one and one are two. We are finding that we must learn a great deal more about ‘and’.
エディントンは20世紀の前半に活躍したイギリスの天体物理学者で、特殊相対性理論を英語圏に最初に紹介した人物としても知られます。
私がこの言葉を最初に知ったのは、確か中学生のときだと思います(中学生にもわかるような英文ですね)。
それから30年以上経ってもまだ覚えているのは、それだけ印象が深かったということです。
晩年のエディントンは数秘術をはじめとした神秘主義に傾倒してしまい変な方向に向かいますが、人生にはいろいろあるものです。