データをもらえば著作権までもらったという誤解
高木です。おはようございます。
私がこのブログに投稿するのはずいぶん久しぶりです。
その間、女性社員が頑張って更新してくれたので、ついつい甘えてしまいました。
さて、今回は著作権についての話です。
以前、私の知人が誤解していたことがあるので、この機会に考えてみたいと思います。
タイトルにも書いたように、外注先に何かの製作を依頼して、データを納品してもらえば著作権まで譲渡されたと誤解している人が少なからずいます。
たとえば、チラシのデザインを頼んだ場合を考えてみましょう。
画像データやPDFだけではなく、Illustratorのデータも納品してもらうようなケースです。
この場合、著作権は譲渡されたのでしょうか?
著作権を譲渡する旨の契約を明示的に取り交わしているのでない限り、著作権は譲渡されませんね。
もっといえば、著作者人格権のうちの同一性保持権を行使されたとしても文句が言えなくなります。
簡単にいえば、いくらデータがあっても、同一性保持権を行使されれば改変できなくなるということです。
もし、Illustratorのデータのデータを納品してもらったことで著作権が譲渡されるのであれば、作曲を依頼して楽譜を納品してもらえば著作権が譲渡されることになってしまいます。
執筆を依頼して原稿が納品されれば著作権が譲渡されることになってしまいます。
そんなバカな話があるわけないことは、まともな社会人なら誰でもわかることです。
ところが、なぜか(ソフトウェアを含む)デジタルデータの場合はそういう常識が働かないようです。
実際問題、著作権を譲渡してもらって役に立つとすれば、業者変更するときぐらいではないでしょうか?
それ以外は使用許諾だけで十分なはずです。
繰り返しになりますが、著作権の譲渡は明示的に契約しておかない限り無理です。
ただし、雇用している従業員が業務中に作成した著作物は、暗黙的に雇用者に著作権が譲渡されます。
外注の場合はこれにはあてはまりませんね。