最初の1円
高木です。おはようございます。
手に職を付けた者が独立を目指すことは少なくありません。
現在でもそれは同じで、会社勤めをやめて個人事業主になったり、会社を起こしたりするのがまさにそれです。
ソフトウェア業界では、個人事業主になるハードルは比較的低く、ある程度経験を積めば誰でもなれてしまいます。
とはいえ、自分で営業して仕事を獲得し、それで生計を立てられる人はそう多くありません。
他の地域のことは詳しく知りませんが、関西に限っていえば、客先に常駐しない持ち帰りの案件が出回っていることはほとんどありません。
既存の案件に応募することを考えていたのでは、すぐに行き詰まってしまいます。
腕のいい技術者であれば、常駐案件であれば引く手あまたです。
けれども、持ち帰りで何とかしようとすると、決して甘くはない現実に直面するのです。
ちょうど、腕のいい料理人が自分の店を構えたようなものです。
料理の技術がどんなに優れていても、店を繁盛させられるかどうかはまったく別の問題です。
ソフトウェア技術者が独立して、希望に胸をふくらませながら、慣れない営業活動を始めた場合、やはり最初の1件を受注するまでが大変です。
タイトルのように「最初の1円」というのは極端としても、最初の数万円程度の案件が受注できずに挫折していく人が少なくありません。
たとえどんなにダンピングしても、仕事がとれない人はまったくとれないのが現実です。
もちろん、ひどいダンピングをしていれば、仮にそれで仕事がとれるようになっても、やればやるほど苦しくなっていきます。
もし、最初の1件が受注できれば、あとはそれを拡大していくことが可能です。
そして、そのときの受注の仕方が、良くも悪くものちのちまで尾を引くことになるのです。